もともとデモとして自宅で作っていた音源を、どこかのレーベルからアルバム発売できる見込みが当時なかったので、1998年10月20日よりライブ会場で販売を開始。自宅でみずからCD-Rに焼いている。

ところで当時のこのアルバム製作の心境といえば、どうせ自分の作った音楽などだれも聴いてくれるはずも無いから、これが最初で最後のソロアルバムになるかも知れない、という気持ちであった。

 

そしてこの頃は、機材もかなりチープな音のものばかりで(当時はそれでも高かった)、まだライブで歌も歌っていなかった時期なので歌も上手く歌えていない。つまり、とても拙いアルバムではある。だが、ある意味ではそれ以降のどのアルバムでもこのアルバムを越えられない”何か”が存在しているようだ。音楽とは心の叫びなのだなと、つくづく思わされる。

   

 

1.THE END OF SUMMER

Eギター即興。ただ気が済むまで弾いてしまう。FZには到底及ばないのは分かっているのだが。ローランドのシンセサイザー、SH-02も使っている。

 

 

 

2.悩みの種

ただただサザン・ロックがしたかった、その願望を歌に。後ろにも前にも行けない歌。

 

 

つなぎあって、つなぎあって、言葉をつなぎあって。

つかまって、つかまって、互いにつかみあって。

僕らの言葉は、少なくて水が溜まる。

掻き出してすべて消えたら、それが悩みの種。

しぼり出して、しぼり出して、ない知恵をしぼりだして。

考えて、考えて、やっとでたどり着いても。

僕らの器(うつわ)は、小さくて水が溜まる。

掻き出して、事が終われば、それが悩みの種。

とても疲れて、動けないなら、少し眠ってもいいだろ。

気になって、気になって、何もかも気になって。

向かい合って、向かい合って、何かに向かい合って。

僕らのからだは、小さくて血が止まる。

掻き出して、事を終えたら、それが悩みの種。

 

 

3.大猫の王国

昔暮らしていたアパートに、毎日黒い猫が来た、名前は菊水と名付ける。

 

 

OH!遠き国で、めしをくらう、君のものごしは

もうすぐ人になる、願いの時。

OH!割れた鏡から、顔を突き出して、そおっと抜け出せば

もうすぐ人になる、黒い毛皮、脱ぎ捨てて。

手すり滑り落ちたなら、天国はもうすぐさ。

姿くらます、その前に君はどこへ行く(ゆく)、

人は入れない、大猫の国へ、ONCE、AGAIN。

もう、君はいない。ここへはもう戻ってこないだろ。

今度は誰が代わりに黒い毛皮着るのだろう?

手すり滑り落ちたなら、天国はもうすぐさ。

姿くらます、その前に君はどこへ行く、

人は入れない、大猫の国へ、ONCE、AGAIN。

 

 

 

4.子供の歌

世界中の、毎日戦場で闘っている子供たちの為に。別名、”ALL THE CHILDREN”

 

 

僕らの間に違いは何もない、この手とこの耳少しの狂いも見えない。

生まれたあの日の喜び忘れてない。黒い手、白い手、同じように探し始める。

ここに持ってきてみよう、すばやく、ふた開けてみよう。

石の雨、霧の風吹く、空ムーンライト。

 

マシンガン片手に、食べるもの何もない。瞳の奥には生まれた村が燃えてる。

大事なあの人、消えた日忘れてない。黄色の土の上、背中しょって2人でたたずむ。 

ここに持ってきてみよう、すばやく、ふた開けてみよう。

石の雨、霧の風吹く、空ムーンライト。

 

5.THE WILL

これから、なんかやるぞっ、という時の意志、の曲である。

 

 

 

 

6.火星年代記

レイ・ブラッドベリの、この小説にインスパイアされて出来た曲。

 

 

恋を待つ娘達も、年老いた老人の夫婦も

同じ席となり同士、同じ食事をとり

中古のロケットで、宇宙のコロニー

ふるさとの川や山も、甘い家もすべてを捨てて

思い出カバンに詰め、手紙も残さずに

中古のロケットで、宇宙のコロニー

メイジャー・トム命綱、切ってどこへ姿くらます

タイタニック夢乗せて眠れ!

心をいやして、ひかりを探せば?

真夏のロケットで!

赤い雨よけて暮らす、やたら不便な日々が

今日まで二人を、つないだものも壊れ

中古のロケットで、宇宙のコロニー

宇宙コロニーへ!

宇宙コロニーへ!

 

 

7.HATS OFF TO JIMMY PAGE

ジミー・ペイジは最初のロック・アイドルだった。レッド・ツエッぺリンの東洋的な要素も含めて、彼等に敬意を。

 

 

 

 

8.ジェルソミーナ

フェリーニの、”道”を観ていたら出来てしまった歌。この映画のサントラに同じタイトルの曲があるけど、勿論それとは違う曲。

 

 

悲しい事があるとすぐに泣く

遠く、離れた家思い出す

ジェルソミーナ、大きな目をそっと閉じて

一生涯、誰からも愛されなかったことだけを胸に秘め幕を閉じるのか、

悲しきジェルソミーナ・・でも、それでいいさ

田舎道、太鼓、笛吹き踊り出す

白くて、小さな翼(はね)はばたき出す。

ジェルソミーナ、大きな顔そっともたげ

一生涯、誰からも愛されなかったことだけを胸に秘め

幕を閉じるのか、

悲しきジェルソミーナ・・でも、それでいいさ。

 

 

 

9. OH! BABE

我が息子、恵吾のバースに捧げる、とはいえ曲が完成したのは我が子が生まれる前であった。まだ見ぬ息子への想像の歌。

 

 

(子)右も左もまだ、わからないが、息を吹き出す

目の前は暗く、手探りで、何を感じればいいんだろう。

(親)元気でやっていこう、言葉はわかるかい?

体は気が付けば2倍に膨れ上がり・・・

泣くだけ泣けよ、今のうち

YOU’RE HAPPY BABE.

ARE YOU HAPPY 、BABE? ずっと?

 

OH! BABE 、OH! BABE、OH! BABE

この世に運ばれてきた

 

OH! BABE 、OH! BABE、OH! BABE

誰かに導かれて

(子)何でもないことが大きく見える?、不安な夜は

差し伸べる手だけが、頼りだから、すべてゆだねて待っている。

(親)肩の力抜いて、ただ眠るだけでいい。

体は気が付けば2倍に膨れ上がり・・・

足を蹴り上げて、歩き出せ! 

 

YOU’RE HAPPY BABE.

ARE YOU HAPPY 、BABE? ずっと?

OH! BABE 、OH! BABE、OH! BABE

この世に運ばれてきた

 

OH! BABE 、OH! BABE、OH! BABE

誰かに導かれて

 

OH! BABE 、OH! BABE、OH! BABE

誰かに導かれて来たんだね!

 

 

 

10.ビギニングス

何の始まりかは、自分でも分からない。でもそういえば人生が切り替わる時に作った曲だった。強力なストリングスはメロトロン(ヴィンテージ・キー)である。

 

 

今日、起き抜けに、昨日見た夢思い出す。

枕元、たたんだはずのよそいきが何処にも見つからない。

出掛けるのは明日の朝。

 

心と心、摩擦に燃えて、ひび割れた日々は、

背中をちょっと横に向けそっと、眠る。

そう、さび付いた古い話しに花を捧げて、

今日、初めて、僕らは黙って、ただこのボロ船をこぎ始める。

心と心、摩擦に燃えて、ひび割れた日々は、

背中をちょっと横に向けそっと、眠る。

どうしようもない君の手を引き、昔住む家に帰る。

途中で数々の思い出を拾い集め、上着のポケットに入れた。 

あー、始まりは昨日の終わり続かないから、

あー、震えてる、茶碗のリズムを小指で触ってリンクする。

心と心、摩擦に燃えて、ひび割れた日々は、

背中をちょっと横に向けそっと、眠る。

どうしようもない君の手を引き、昔住む家に帰る。

途中で数々の思い出を拾い集め、上着のポケットに入れた。 

 

どうしようもない、どうしようもない。

 

 

11.BUBBLE CRY

もとは、シャボン玉ガールという没曲の一部をアルバムのエンディングとして使用。